令和元年10月29日
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秋の見学会は江戸東京博物館で開催中の特別展「士 サムライ」をメインにして実施されました。当日はあいにくの雨でしたが、参加者二十二名は予定通り一階の特別展から見学しました。 十月十九日の朝日新聞天声人語欄でこの特別展を紹介し、文末を「封建的身分制度にしばられ、万事に謹厳であったかに見えて、悩みごと、心配ごとはいまを生きる私たちとほとんど変わらない。サムライたちが職場の同僚であるかのように親しく感じられた。」と締めくくっていましたが確かにこの言葉に共鳴するものを覚えました(見学時間が三十分だったので興味のある方には物足りなかったかと思います)。 最初の「江戸ゾーン」は武家社会を中心にしたもので宏大な江戸城や大名屋敷のジオラマ、豪華な装飾を施した女性用の、実用的に作られた男性用の大名駕籠等が展示されていました。当時の江戸の町の八割以上が武家や寺社の土地であったとか、これがのちの東京の発展に役立ちました。次いで五階の「江戸ゾーン」では町人の暮らし、読売や版画などの出版物、歌舞伎や遊里などの娯楽について展示していました。江戸の子供の多くは寺子屋に通い、町人の識字率が八割に近く、棟割長屋に住み、衛生的な生活をしていたようです。 「東京ゾーン」では明治から現代までの東京の変貌、庶民の生活の変遷を懐かしく観察しました。関東大震災では博物館所在地の横網町が空き地で、避難者の四万人余りが亡くなったと聞き、千葉県が風水害の被害を受けた後だけに天災の恐ろしさを痛感しました。ガイドさんが一時間三十分で要領よく興味深く案内してくれ楽しく勉強になった見学会でした。 |
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